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執筆者の写真HANAIプロダクション

NA花井盛彦手話教室(5月24日)


こんにちは、アシスタントの大井です。

今日の初級クラスでは、ある生徒さんがハマっているという太鼓の話から、花井先生のろう学校の時代の楽器演奏の話題に。

生徒の皆さんにトライアングルってどんな音か質問をしていきます。


和太鼓なら、体全体に響くようにドーンという振動が伝わってくるような音ですよね。

同じようなイメージで、どのようにトライアングルの音が伝わっているのか表してもらいます。

音の説明って難しいですよね、本当に。

話していく中でトライアングルの金属部分を持つと音はどう変化するのか?という質問があがりました。

これに対し、大半の生徒さんが「音がなくなる」と答えていました。

ん??いやいや、待って!

なくなるって言ったら、全くの無音な訳ですよね。

いやいやないから!(笑)

トライアングルの金属部分を持とうが叩けば音は出ます!

「キイィィィィィン」だか「シャァァァァン」だか、まぁキレイな音から「カン」っていう乾いた音へと変化するだけで、音自体はなくなりませんよね。

もちろん、金属部分を持ったら余韻は止まります。でも、その後叩き続ければ余韻がないだけで、やはり音は出続けます。

そこをどう表していくのかを色々と考えていきました。

音の強さ、振動、余韻、音の質の違いなどを表していきました。

日本語にこだわってしまうと、なかなかどう表現していいのか迷ってしまうものです。

とにかく日本語を捨ててイメージを作り上げていくことが大切です。


そして、その後は「なくなる」という手話を使って流れを作り、その後に自然な手話ではそれをどう表すかということを話していきます。

例として、

「ろうそくの火が消える」確かに、その通りです。でも、CLを使って炎が消える様子、その後に立ち上る煙を表すことでもっともっと分かりやすく自然な手話になります。

「鍵がなくなった」これも、ろうは「あれ?鍵どこ?」と言いながらポケットを触ったりする方が自然な手話なんですね。

「うなぎの消費量が増えて将来うなぎがいなくなる」という例があがったのですが、これは「なくなる」の手話表現のままでいいのですが、顔の表情、流れ、文の構成が大切になってきます。

その単語だけにこだわってしまわずに、それ以外のものにも目を向けて考えていってくださいね。

後半では、単語を勉強していきます。


固い/意識する/決断する/壁/クセ/後悔/まぁまぁ/マシ/アレルギー/旅行

これらについて話していきます。

まず、「固い」

これは言わずもがな。

流れや表情によって意味が色々と変わってきますよね。

生徒さんに他の人と意味がかぶらないように流れを作っていってもらいます。

・いつもカフェオレ注文するよね

・体丈夫だよね(健康)

・表情や体が硬い

・久し振りに食べたけど、この味!変わらないよね

・結婚生活長く続いてるよね

・頑固

などといった例があがりました。

「かべ」という手話では、日本語同様物理的な壁と精神的な壁と両方の意味があります。

中には読み取り違いをする人もいて、「(人生で)壁にぶつかって苦しかったけど、頑張って壁をぶち破りなんとか乗り越えた」という手話も、「え?壁を壊すの?ダメダメ捕まっちゃうからー」と返してくることもあるんですって。

物理的な壁を表しているのか、精神的な壁を表しているのか、きっとイメージ力や想像力がついてくると読み間違いもなくなってくるんでしょうね。

そして、「クセ」という手話には「クセ」以外にも、身につくという意味があります。

「手話を一生懸命磨き勉強して身に付ける」というような使い方をします。

「生まれる」という手話と一緒に使えば「生まれつき」という意味になってきます。


「後悔」という手話ですが、感情の手話ってちょっと難しいですよね。

例えば「告白して振られた、後悔」、この場合は後悔よりも「ショック」という手話を使った方がしっくりくるんですね。

「電車で寝過ごして駅通り過ぎちゃった、後悔」この場合も「後悔」よりも「呆然」や「オーバー」という手話の方がしっくりきます。

「後悔」を使うのであれば「寝る+後悔」で寝たことに対して後悔の手話を使っていきます。

このように、たとえ意味が分かったと思っても根本的には全く違う言語ですので、使い方が違う場合が多々あります。

とにかく色々と表現してみて、その手話がその流れに合うのかどうか確認してイメージをしっかり掴んでいってくださいね。


皆さん、お疲れ様でした。

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