こんにちは。高宮です。
今回のレッスンでは「くだらない」という手話について取り上げました。
どういう手話か分かりますか?
下に向けた左の手のひらに🖐🏻 右の人差し指🏻を下から押し付ける感じの動きです。
手話辞典を引くと「くだらない」という意味が載っていますが、この意味だけに固執していると、ろう者との会話にズレが生じることもあります。
【例1】
子供が転んで、「お母さーん、痛いよ〜。骨が折れたかもしれない。゚(゚´Д`゚)゚。」
「どれどれ?見せてごらん?なーんだ、◯◯◯◯」
◯◯◯◯に何が入ると思います?
ここでは「くだらない」ではなく、「大したことない」の方が適切ですね。
この手話は、「くだらない」以外に「レベルが低い」というニュアンスもあるそうです。
ここでは怪我の程度が低いということです。
【例2】
ホラー映画を見たら、◯◯◯◯だった。
この表現を見ると真っ先に、「あー、つまらない映画だったのね」と捉えてしまいがちですが、
「怖さのレベルが大したことなかった、レベルが低かった」という表現にも使えます。
怖さのレベルが低くてガッカリなのか、それともホッとしたのか、それはまた別の話であって、
“この手話はネガティブな意味なんだ”とラベルを貼って頭に入れてしまうと、意味を取り違えてしまいます。
また、受講生みんなでこの手話を使った例文を考えていたところ、
テレビに出ているあの男性タレントさん、女性から「カワイイ」ってもてはやされてるけど、大したことないじゃない。
どこがいいのかよく分からないわ〜。
という内容が出てきました。
この際、「大したことない」とは誰のことを言っているのか?が曖昧で、議論が盛り上がりました️
男性タレントのレベルが大したことないのか、
キャーキャー騒いでる女性陣の態度がくだらないのか。
空間の使い方や指差し、語順や説明の順番を見直して、伝わりやすいように工夫しましょう。
テレビに映ってるのは誰?
男性タレントとそれを応援する女性陣の姿が一緒にテレビに映ってるの?
話し手と女性たちは同じ空間にいて、熱狂ぶりを冷めた目で見ているという状況?
話を聞いている(見ている)側も、「ん?なんか曖昧じゃない?」と疑問に思ったらスルーせずに訊いてみてください。
これをクラスのみんなで続けていくと、学びが深まります🙂