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NA花井盛彦手話教室【通訳】総合 10月9日(金)

執筆者の写真: HANAIプロダクション
HANAIプロダクション
4 分前
読了時間: 8分

空間、読み取りテスト、翻訳力



正しく通訳するために必要な事を知る


花井講師の日本手話を音声日本語に通訳しました。ろう者がよく使う日本手話を、しっくりくる日本語で考えていきます。


テストの共通するテーマ

1回目「ろう的手話表現【なんで?】【どうやって?】【ポ?】①〜③」

2回目「CLストーリー④〜⑥」



1

生徒さんの最初の回答

彼女はいつも食べてるのになんで細いの?


指導後の生徒さんの回答

彼女はいつもケーキを沢山食べているのに、なんであんなに細いのか


正解

彼女、いつもケーキをあんなに食べているのに、なんであんなに細いのよ


間違いやすいところ

  • 女性が話しているであろう言葉遣い

  • 質問している訳ではない


読み取れなかった重要な箇所

嫉妬の気持ち


全体のポイント

  • 語尾の「〜のよ」で女性らしさを出しつつ、「なんであんなに…」で羨ましさと妬ましさが混ざった感情をストレートに表現

  • 表情、目線、ロールシフト、NMMでその時の感情を読んで文章を変えていく → 話者と通訳者が同じ気持ちになる



     2

生徒さんの最初の回答

雨がすごく降ってきて、水がだんだん溜まってきたな

車で行こうかと思ったけど危ないよな


指導後の生徒さんの回答

雨が凄い降ってきて、道路が冠水して危険なのに

なんで車で行くんだよ


  正解

豪雨で道路が冠水して危険だとわかっているのに、車で行くなんてどういうつもりだ?


間違いやすいところ

  • 自分が行くのを迷っている訳ではない

  • 大雨よりも凄い → 豪雨


読み取れなかった重要な箇所

『何で行くんだ』『何考えてるんだ』の気持ち、語彙力


全体のポイント

語彙力

「どういうつもりだ」だと

相手の判断力や意図を問いただす、強いニュアンスを維持できます



     3

生徒さんの最初の回答

おじいさんが買い物をして…

無くなる


指導後の生徒さんの回答

ボールペンを買ったら、すでにインクがなくなってた

なんでだよ


  正解

買ったばかりのボールペンを使ってみたら、まさかのインク切れ!?


間違いやすいところ

ポ? = なんで?だけじゃない

『なんで?』以外の言葉が必要


読み取れなかった重要な箇所

『なくなる』の使い方

『すでにインクがなかった』『インクが少ない』以外を考える


全体のポイント

  • 語彙力

    『まさかの』『インク切れ』

  • 表情、ろう的手話表現、日本手話を読み、相手が何を伝えたいのかを考える



①〜③はろう的手話表現『なんで?』『どうやって?』『ポ?』でした。


ろう的手話表現の『ポ?(なんで?)』。SNS等でもよく見掛けるようになりましたが、『ポ(なんで?)』しか知らず、通訳や翻訳の時に『なんで?』のみを当てはめる人がたくさんいます。

『何で』『驚く』という意味だけだと思っているとズレが起こりやすく、通じない場合もあります。


これは、手話学習をしている聴者だけでなく、勘違いしているろう者も多くいて『指導力の問題』にも繋がっています。


口形『ポ』だけじゃなく、『プ』『エ』『ウ』など

表情や口形の使い方によって意味も大きく変わります。


翻訳文、日本語力、語彙力

『何で』『どうやって』以外も視野広く、柔軟に考えてみてください。

日本手話を身につけたら『あの表現なら、その日本語』と、より良い翻訳ができるようになります。



ここからのテーマはCLストーリーです。


     4

生徒さんの最初の回答

山一帯に囲まれている所、斜面に畑が連なっている

ドローンで上から撮影してみると言葉にならないくらい綺麗なんだよ


指導後の生徒さんの回答

見渡す限りの、山の中の段々畑をドローンで撮影した景色は圧巻だ


  正解

周囲を山々に抱かれた斜面や谷間に、美しい階段を描く田んぼ

そこをドローンで上空から見下ろすと、言葉を失うほどの圧倒的な絶景が広がる!


間違いやすいところ

畑 ×

田んぼ 〇

手話単語に囚われずに、CLを読み取る


読み取れなかった重要な箇所

  • 山を表す語彙力

    「周囲を山々に抱かれた」「深く青い山々に包まれた」と表現することで、自然のスケール感や包み込まれるような静けさが伝わります

  • 『絶景』をどう表すか


全体のポイント

  • 『美しい階段を描く田んぼ』

    等、情景が思い浮かびやすい語彙力、文章力

  • ​表現の工夫、CLをしっかりと読み取る

    「階段のように一段ずつ水平につくられた田んぼ」を「美しい階段を描く田んぼ」という言葉にまとめることで、文章全体がスマートで洗練された印象になります

  • CL、空間、位置、高さ、目線、表情を読む



     5

生徒さんの最初の回答

古びた、壊された建物の荒れ果てた地を彷徨いながら、疲れ、力尽きて倒れた


指導後の生徒さんの回答

砂埃の多い広ーい、何もないところを

ひたすら歩いていると

壊れかかったビルや建物が見え

その中を歩きながら

何日も食べていない、喉も渇いていき倒れをした


  正解

​舞い散る砂粒に刻まれた悲劇

乾いた風が吹き荒れる荒野に、衰廃した建物がポツリと佇んでいる

そこを、一人の男がフラフラと当てもなく歩いていた

やがて肉体の限界を迎えた男は、疲れ果ててついにその場に力尽き倒れた


間違いやすいところ

  • 景色

  • 一人の男の特徴


読み取れなかった重要な箇所

CLを読み取れていないため、文章全体が足りない


 全体のポイント

  • 文章力

    ① 砂埃、広い、何もない → 『乾いた風が吹き荒れる荒野』

    ② 壊れかかったビルや建物 → これだけだとビルや建物の数が伝え切れていない → 『ポツリと佇む』

  • CL、空間、位置、目線、表情、リズム、間を読む事で文章に奥行きが出る



     6

生徒さんの最初の回答

夜のお墓を歩いている時に、お墓から人が出てきた気がして怖かった


指導後の生徒さんの回答

墓地を歩いていると、火の玉が見えて、当然お墓が震えだし、バタッと倒れた


  正解

何気なく墓地を歩いていたら、えっ、火の玉?! 慌てて逃げ出そうとした瞬間、目の前で『ガタガタガタッ』とお墓が激しく揺れ、ドスンと倒れた! もう生きた心地がしなくて、パニックのまま全力で逃げ帰ったよ


間違いやすいところ

  • 何気なく等が抜けると、文章全体のニュアンスが変わってしまう

  • 『目の前』等、正しい説明も大切


読み取れなかった重要な箇所

  • 『ガタガタガタッ』とお墓が激しく揺れ、ドスンと倒れた! ← 語彙力、擬音で分かりやすく

  • 怖がっている心情が伝わってこない →

    『もう生きた心地がしなくて、パニックのまま全力で逃げ帰ったよ』


全体のポイント

  • CLが読み取れなくて、単語だけを伝えると上手い日本語に置き換える事はできない

  • CL、空間、ロールシフト、表情、目線、リズム、強弱を読む事で文章ではなく、その時の情景や気持ちを読み取れる



日本手話、ろう的手話表現は日本語とは別の言語。

英会話を学ぶ時の様に「知っている単語を並べる」だけでは会話になりません。


ろう的手話表現を読み取れる様になるため、自分でもろう的手話表現を知り、身につけ、使いこなす必要があります。


日本手話を学習していくと『日本語で言うとなに?』と考えてしまいますが、これは日本手話学習の壁になります。


ろう的手話表現を知り、イメージを掴める様になれば、その後に日本語は見えてきます。


CLは、きちんと知れば分かりやすく、面白い。

それだけでなく

CL × 空間、NMM、位置、強弱、リズム、ロールシフトなど…合わせ方によって、意味も大きく異なる事があります。


知れば知るほどCLは奥が深い。


大事なCLを読み取れず、見落とすことが多いです。

なぜ読み取れないのか?

それは、自分で表現していないから。

CL表現のレベルが上がれば、自然と読み取りレベルも上がります。


日本語や翻訳文力、語彙力も勉強する必要は、もちろんありますが、その前に正しいCLを身につけることが重要です。


自分がC魅力的なCL表現ができるようになれば、魅力的な日本語に必ず翻訳できます。

そのためには、自分でCLを理解し、たくさん表現してみること。


通訳は日本語、語彙力、文章力の勉強は重要ですが、日本手話の勉強もすごく重要です!



通訳界には、大きな問題があります。


  1. ある手話講習会での試験時、CLの試験をやってみたら、全生徒がまったく読み取れなかった

    全生徒を合格にするため、簡単な試験に変えた


  2. 手話講習会では、手話の上達がなくても初級→中級→上級と上がる人は上がる

    どの手話講習会も同じとよく聞く


  3. 読み取り訓練が多い

    ろう者と通じないと悩む人が多い

    自分で表現する機会があまりないので、単語はわかるが、日本手話やCL表現ができていない人が多い


勉強法は大きな問題です。


上記のみでなく、他にも問題は多岐にわたります。

問題を解決しなければ、ろう者と通じない手話学習者は増えていく一方。

上手い、下手は関係なく、どんどん通訳を増やしていっても、ろう者は通訳と通じなくて不満に思うことが多いそうです。

誰だって『上手い人』が良く、『通じない人』は嫌ですよね。


資格を取ってからが勝負

と思い、自己研鑽を心掛ける通訳者も多いですが、正しく指導できる講師は少なく、学習者だけでなく、指導者にも問題があるといえます。


講師の実力や勉強法など、多種多様な課題が多く、NA花井盛彦手話教室に通い、花井講師の指導法を見て講師選びの重要性に気づく生徒さんも多いです。

『CLは、元々知っていたし、習ったことがあるけど、花井講師に教わって、本当の意味や奥の深さに気付いた』

『覚えるだけの学習法だったから会話ができない事を、花井講師に出会って目の当たりにした』


なぜ、上達しないのか?

それを知り、足りない事にチャレンジしていくのが大切ですね。



今日もお疲れ様でした。



読んでいただいてありがとうございます!


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