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​発表会から学ぶこと

#6 工夫力

 

発表会が近づき、生徒さんたちの練習が始まった。

生徒さんの状況を身近で見てきて、気がつくことがある。

発表会から学ぶこと#1~5で話してきたことに加え、工夫する力、これもすごく大事なことだと思ってる。

工夫することって、発表会だけのことではないよ。

手話を学ぶ上で、自分の手話表現が相手に伝わるかどうか、通じる工夫をすることはとても大切なことだと思う。


その手話表現が通じないとき、どうするか…

それを自分で考え、表情や身ぶりやCLで補い、いろいろ通じるように工夫すること、それが大事なことだよ。

特に身ぶりやCLでの工夫は手話を学ぶ際に、

必ず必要だよ。

今や、『身ぶり』、『CL』などと表現方法に名前がつけられ分類されているけど、
ろうのオレの認識では、身ぶりもCLも全てひっくるめて『手話』なんだよ。

 

手話の中にCL表現があったり、身ぶりがあったりするわけで、特に分類区別する必要はない。

それがいつの間にか区別分類されているようだけど、ろうの中では、これ全てが合わせて手話なんだよ。

ろうは、生活の中で自然と手話を身に付けてくるわけで、
後々に健聴から、そういった分類に区別されていることを聞かされる。

ろうの世界では身ぶりもCLも当たり前のことなんだよ。


例えば…新しい言葉など、まだ手話表現がない単語や、

その言葉を知らないときには、CLや身ぶりで工夫し伝えるよね。

ようするにこれって、やっぱり手話なんだよね。

生活の中の不便を改善するために工夫するんだよ。

単語がわからなければ、相手に伝えることが出来ない、
でもそれを工夫して磨いて伝わるように変えるんだよね。
相手に伝えたいという気持ちが、手話の向上に結び付くんだよ。

健聴でもその工夫力が素晴らしい人もいるし、ろうでも工夫力が足りない人もたくさんいる。

発表会は手話の勉強だけじゃない。
仲間と相談しあったりすることや、お客さんに伝わるように努力し、工夫すること、それが目的だよ。

どんなことでもいいから工夫し、一歩前進することを学べる場だ。


人生で何か壁にぶつかる時もあると思う。

そんなときは、何かを見つけ工夫し乗り越えていって欲しい。

発表会は手話を学ぶだけではなく、コミュニケーションの重要性や人との出逢いの大切さを学ぶことができる。

みんなの人生の素晴らしい経験値になるだろうね。


発表会、頑張ってな。

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