発表会から学ぶこと
発表会が近づき、生徒さんたちの練習が始まった。
生徒さんの状況を身近で見てきて、気がつくことがある。
発表会から学ぶこと#1~5で話してきたことに加え、工夫する力、これもすごく大事なことだと思ってる。
工夫することって、発表会だけのことではないよ。
手話を学ぶ上で、自分の手話表現が相手に伝わるかどうか、通じる工夫をすることはとても大切なことだと思う。
その手話表現が通じないとき、どうするか…
それを自分で考え、表情や身ぶりやCLで補い、いろいろ通じるように工夫すること、それが大事なことだよ。
特に身ぶりやCLでの工夫は手話を学ぶ際に、
必ず必要だよ。
今や、『身ぶり』、『CL』などと表現方法に名前がつけられ分類されているけど、
ろうのオレの認識では、身ぶりもCLも全てひっくるめて『手話』なんだよ。
手話の中にCL表現があったり、身ぶりがあったりするわけで、特に分類区別する必要はない。
それがいつの間にか区別分類されているようだけど、ろうの中では、これ全てが合わせて手話なんだよ。
ろうは、生活の中で自然と手話を身に付けてくるわけで、
後々に健聴から、そういった分類に区別されていることを聞かされる。
ろうの世界では身ぶりもCLも当たり前のことなんだよ。
例えば…新しい言葉など、まだ手話表現がない単語や、
その言葉を知らないときには、CLや身ぶりで工夫し伝えるよね。
ようするにこれって、やっぱり手話なんだよね。
生活の中の不便を改善するために工夫するんだよ。
単語がわからなければ、相手に伝えることが出来ない、
でもそれを工夫して磨いて伝わるように変えるんだよね。
相手に伝えたいという気持ちが、手話の向上に結び付くんだよ。
健聴でもその工夫力が素晴らしい人もいるし、ろうでも工夫力が足りない人もたくさんいる。
発表会は手話の勉強だけじゃない。
仲間と相談しあったりすることや、お客さんに伝わるように努力し、工夫すること、それが目的だよ。
どんなことでもいいから工夫し、一歩前進することを学べる場だ。
人生で何か壁にぶつかる時もあると思う。
そんなときは、何かを見つけ工夫し乗り越えていって欲しい。
発表会は手話を学ぶだけではなく、コミュニケーションの重要性や人との出逢いの大切さを学ぶことができる。
みんなの人生の素晴らしい経験値になるだろうね。
発表会、頑張ってな。